団地が消えている!
街の再開発工事を見かけるとなんだかワクワクしませんか?
「ここには以前は何があったんだっけ?」とか、「今度はどんな建物が出来るんだろう?」なんて、色々な楽しい想像が膨らみます。
近年、団地の再開発が加速しています。
実家近くにある松原団地という「団地」も、綺麗で立派なマンション群になりました。
再開発にともない、駅名も「松原団地」から「獨協大学前駅(副駅名:草加松原)」になりました。
他にも、通勤途中にあった赤羽台団地も、西新井団地も建替えが進み、昔ながらの団地はどんどん姿を消しています。
URによると、築40年を過ぎた団地については長期計画で「再生」対象となり、建替え等が順次進んでいくようです。
再開発工事はワクワクしますが、団地の敷地で遊んだ記憶がある世代としては、若干寂しさも感じますね。
古き良き時代の象徴のような「団地」は、消えていく運命なのでしょうか。
「マンション建替え円滑化法」とは
最近、こんな記事を見かけました。
“「ガーデン堀ノ内住宅」マンション建替事業は、杉並区初となる「マンション建替え円滑化法」に基づく建替事業であるとともに、東京都で実施された単棟型の「マンション建替え円滑化法」を用いた建替事業として過去最大の事業です。”
この「マンション建替え円滑化法」とは何でしょうか?
この法律は、マンション建替事業等について定めることにより、マンションにおける良好な居住環境を確保して安全を守る事を目的としています。
そのため、安全ではない老朽化したマンションの建替えがスムーズに進むように、一定の例外規定を設けている法律になります。
敷地の売却要件や容積率が緩和されています。
簡単に言うと、「耐震基準を満たしていない危ないマンションは、権利者の5分の4以上の同意があれば手続き進め易くするから建替えしてね」という法律です。
こうした規定があるにもかかわらず、老朽化マンションは増える一方で、建替えが進みませんでした。
そのため、さらに例外を拡大する法律が令和2年6月16日に成立しました。
これはつまり、「建替えて欲しいマンション」の対象が増えるということです。
これまでの対象は、「耐震性不足」のみでしたが、今後は「外壁の剥落等により危害を生ずるおそれがあるマンション」や「バリアフリー性能が確保されていないマンション等」も対象に含まれることとなりました。
「建替えて欲しいマンション」認定は、管理組合の申請に基づき地方公共団体の長が行います。国土交通大臣が定める基準で判断される為、かなりハードルが下がった印象です。
認定されたマンションは、全員同意ではく、権利者の5分の4以上の同意によりマンション敷地の分割を可能としたり、組合が動きやすいように柔軟な対応を可能にしています。
どうにかしてマンションの建替えを円滑化したいという意図が見えますね。
増える築古マンション 進まない建替え
繰り返しになりますが、こうした法改正の背景として、築40年超のマンションの建替えがスムーズに進んでいないことがあります。
現在でも約81万戸あり、10年後には約2.4倍、20年後には約4.5倍の約367万戸となるそうです。
築古マンションの建替えを進めていかなければ、老朽化マンションが街中にあふれて危険だし、経済も活性化しないので国としては困ります。
「マンション建替え円滑化法」が数年おきに改正されている現状を見るにつけ、建替えを早く進めて欲しいという国の焦りのようなものを感じます。
実際にマンションを建替える場合、計画から完成まで10年ほどかかりますので、やれるマンションからどんどんやって欲しいという、切羽詰まった状況のようです。
ワンルームマンション建替え時の選択肢
こうした法制度の後押しもあり、ワンルームマンションにおいても建替えは進むかも知れません。
つまり、あなたがワンルームマンションを長期保有した場合、「マンション建替え円滑化法」による建替えに、賛成するか反対するか迫られるという場面がやってくるかも知れません。
事前に売却せず持ち続けた場合、選択肢は2つです。
[A]建替えに賛成し、負担額を支払い新マンションを手に入れる
容積率に余裕があって建替え後の戸数が増える場合や、修繕積立金がかなりたまっている場合などは負担額が少ないかもしれません。
しかし建替え時の平均的な負担額は1,000万円ほどだそうです。
[B]建替えに反対し権利を組合に買い取ってもらう
こちらを選択した場合は、時価相当額で売却することになり、修繕積立金が返還されます。
あなたが選ぶとしたらどちらでしょうか?
そんな時に、相談できる専門家がいたら安心だと思いませんか?
ワンルームマンションって長期保有して大丈夫?
「マンションの建替え円滑化法」改正の結果、建替え計画が進みやすくなりました。
これにより、老朽化したマンションの方向性が定まらずどうにもならないという事例が減ることに期待したいものです。
それは、土地の可能性が広がり、資産価値を保つことに繋がります。
そして不動産取引が活性化すれば、街も活性化していきます。
そうなれば当然、家賃の下落は抑えられ、都心駅近の好立地のエリアにあるワンルームマンションであれば、安心して長期保有ができます。
団地があった街や、駅前の再開発によってイメージが一新される様に、街のイメージは時代とともに変わっていきます。それこそ再開発と都心回帰の動きで、急に学生街になる駅もあります。
もしかしたら、今は古いマンションが建ち並ぶエリアや、雑居ビルが建ち並ぶ街も、建替えが進むことにより誰もが憧れる魅力的な街に生まれ変わる可能性もあるのです。
それを見越して築古マンションを購入、長期保有し建替えや売却で収益を狙うというのも、ロマンがあって面白いかも知れません。
投資用マンションを長期保有するということは、単に収益物件を所有するということにとどまらず、街の再開発や発展を見守る楽しみもその魅力の一つとなります。
とってもワクワクしませんか?