「楽して稼ぐ」を探し求めて

「楽して稼ぎたい!」

「不労所得が欲しい!」

世のほとんどの勤労者が望むであろう、しかし禁断とも言えるフレーズです。

 

私もご多分に漏れずそう望んでいますが、でも何となく口に出すことをためらってしまうのは、額に汗水垂らして働いてナンボという、日本人的な勤労精神の呪縛が私にも根付いているからなのかもしれません。

 

とはいえ、「ズルして稼ぐ」とか「他人を騙して稼ぐ」ような輩に比べれば、はるかに健全だと思いますが・・

 

 

マンション投資を始めてから、私はこの「楽して稼ぐ」をやっと実現することができるようになりました。

 

何しろ本当に手間が掛からない。

この投資でこれまでに経験した苦労といえば、物件購入時に大量の契約書類への住所と氏名の記入くらいでしょうか。

 

毎月決まった日に管理会社から家賃が振り込まれ、数日後にローンの返済金や修繕積立金などが引き落とされ、その残りが預金残高として積み上がる。ということを繰り返しているだけです。

最初のうちは楽しくてその都度記帳に行ったりもしていましたが、最近は放ったらかしです。

散々放置しておいて忘れた頃に記帳しても、そこには判を押したかのように同じ額の入金と出金が並び、右列の預金残高だけが増えているのです。

私は「何もしていないのに」です。

 

一度だけ退居も経験しましたが、管理会社から退居の報告を受けたかと思いきや、あっという間に今度は入居者決定の連絡を受けることになりました。

当然ながらその間に私がしたことは皆無です。

 

これを、「楽して稼げる」と言わずして何と言いましょうか。

 

 

 

石橋を叩いても渡らない男

 

自分で言うのも何ですが、私は自他ともに認める生真面目な性格をしています。

そして石橋を叩きまくって、それでも渡るかどうか分からないくらいの慎重派です。

 

投資に興味を持ち始めたのは、20代の半ばに差し掛かった頃でした。

当時の「米ドル定期預金」が、3ヵ月物で5%という高利率で円定期預金よりも魅力的だったのと、あくまでドルベースではありますが元本保証があるということが決め手となり、そこから私の資産運用・投資経験がスタートすることになりました。

 

「元本保証」というワードは、私にとっては水戸黄門の印籠のように無敵だったのです。

 

毎月4ドルくらいの利子の入金があり、金額的にはもちろん大したものではないのですが、「楽して稼いだ」お金ということに違いはなく、すごく嬉しかったことをよく覚えています。

 

当然ながらドル建ての預金は、利率以外に為替変動の影響も受けます。

為替の変動について勉強するために、毎日の為替相場をノートに記録し管理していました。

アメリカの誰々が何々と発言して大きく変動したとか、日銀が介入して云々など、相場変動の原因と及ぼす影響などが、それなりに分かるくらいまで勉強しました。

 

外貨取引の良いところは、ある程度コツを掴めば相場の見通しがつくところです。

そして、取引が早く流動性が高い点です。

 

しかしながら、元本が少なければ利子も少ないのは当たり前のことですし、仮に為替相場が大幅に円安方向に動いたとしても、元本が少なければ受ける恩恵も大したことがないというのが実状です。

現実的には、円建ての普通預金や定期預金より多少マシかなという程度でした。

 

 

 

しがないサラリーマンの決断

 

30代で転職した私は、不成長分野・不成長企業のサラリーマンでした。

年間休日は少なく、さらにその貴重な休みすらもイベントに駆り出され、それでやっと上がった給料はたったの2,500円だったという・・

「子供の小遣いか!」と、心の中では社長にツッコミを入れましたが、もちろん面と向かって言える勇気などあろうはずがありません。

 

当時の私は、「しがないサラリーマン」を地で行くような生活をしていました。

 

我慢は美徳

石の上にも三年

武士は食わねど高楊枝

・・・現状を受け入れる言い訳を色々考えましたが、きれい事を言い続けるのにも限界があります。

 

つまらない毎日を送る中で、たまたま「FXの自動売買で毎日小銭を稼げる」というブログ記事を目にしてしまい、「楽してもっと稼ぎたい」という欲が急速に高まることになりました。

 

FXの最大のメリットは、レバレッジを掛けられるということです。

これだったら少ない元本でも、上手くやれば一攫千金が狙えます。

 

世に広まりだした頃からその存在は知っていましたが、何せ私は「石橋を叩き割る」くらいの性格で、一番優先すべきは「損をしない」という方針の慎重派です。

FXは「危ない・恐い」というイメージで、それまで避けてきた投資でした。

証拠金やロスカットの仕組みが分かりづらかったというのもその原因の一つです。

 

しかし、「どうにかお金を増やす仕組みを見つけなければ自分に未来はない」という強い思いを抱くようになっていたのと、外貨預金を通じて為替の変動に多少詳しくなったつもりでいたことも追い風となり、一大決心をするに至りました。

 

当時、某アイドルがCMに出演していたFX会社で、300万円分の仮想取引ができるというサービスがありました。

仮想取引でも自動売買システムが使えるとのことだったので、すぐにこれに飛びつきました。

まあ、一大決心をしたのに最初は仮想取引で始めるところが、いかにも私らしいですね。

 

始めて2ヵ月もしないうちに、317万円ほどになりました。(プラス17万円)

よく分からない間に、自動売買システムが勝手に小口のプラス取引を積み上げてくれたようです。

 

でもしばらくすると、トレンド転換という大事件が起きました。

これは水戸黄門の時代に突然大政奉還が起きたようなものです。

そしてあっという間に損失が広がり、すぐに280万ほどになってしまいました。(マイナス20万円)

 

増えるのも減るのもあっという間だという、FXの魅力と恐さの両方を実感した私は、「これは本格的に勉強するしかない!」と、運営会社が主催するセミナーに何度も参加することになりました。

 

 

 

夢のあとさき

 

その甲斐あって、相場曲線の見方やトレンドの判断の仕方など、それなりの知識を得ることが出来ましたが、でもそれが成果に繋がることはありませんでした。

なぜなら、システムの設定を細かくチェックしたり、大きな為替変動が起きる原因が生じた際には即座に取引を一時停止したりという、稼ぐためには結局人の手による作業が必要なのですが、私にはそのための時間的・精神的余裕がなかったからです。

 

楽して稼ぐことを夢見てFXを始めましたが、実はかなりの知識や、作業に費やす時間が必要なものでした。

少なくとも、素人が片手間でちょいちょいと稼げるような代物ではないというのが私の感想です。

 

この記事を書くにあたり、しばらく放ったらかしにしていた自動売買システムの残高を、おそるおそる確認してみました。

当然と言えば当然かもしれませんが、170万円になっていました。(マイナス130万円)

自動売買システムと言っても、結局のところ人の手による適切な設定がされなければ勝てないということですね。

 

 

 

「楽して稼ぐ」の大本命

 

不動産投資のメリットは、銀行融資を受けることによってFXのようにレバレッジを掛けられるというところにあります。

少ない元手で大きな金額の物件を購入することができます。

逆の言い方をすれば、「他人資本で出来る投資」ということになります。

 

そして相場の変動が緩やかなので、外貨預金のように先の見通しが立てやすいことも魅力の一つです。

FXのように相場の急変によって一瞬で大金を失うということはまず考えられません。

 

不動産投資の中でも特にマンション投資は、手間ひまを極限まで減らすことができる投資と言えます。

個人的には、自分でやることが少なすぎて退屈に感じるくらいです。

「楽して稼ぐ」という目的は達しているので、もちろんそれで良いのですが・・

 

 

最初から大きな元手を有している方でしたら、外貨預金も一考の価値があるでしょう。

時間的な余裕と、ハイリスクを受け入れられる精神力がある方でしたら、勉強して知識を身につけた上でFXにチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。

 

でも30代の頃の私のように、さほど大きな元手がある訳でなく、そして時間的な余裕もないという方はどうでしょうか?

むしろこういう方が世の中の一番の多数派なのでしょうが・・

 

そうなるとやはり、「低リスクで手間ひまいらず」を実現できるマンション投資が、「楽して稼ぐ」の大本命ということになるのではないでしょうか。

 

 

WRITER / 執筆者

株式会社マイプロ

飯山 芳治

1980年生まれ/埼玉県出身・在住
2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人 日本マンション投資アナリスト協会 会員
「お客様のリスクを最小化すること」をモットーとする投資コンサルタントであり、自ら2戸のワンルームマンションを所有する投資家でもある。

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