BTSの事務所株価暴落はなぜか

Kポップグループ「防弾少年団(BTS)」の所属事務所が新規株式公開(IPO)し、初値で27万ウォン(約2万5千円)を付け、時価総額は9,000億円を超える規模になったそうです。

 

しかし、すぐに値下がりしました・・・。

 

まぁ、そんなもんですよね。

 

日本でも以前にそんなことがあったなと思い出しました。

巻き込まれて損した方はいないでしょうか?大丈夫でしょうか?

 

改めて、株との付き合い方は距離感が大事だなと思いました。

 

 

 

BTSの株価高騰と暴落は必然


私の知り合いがBTSのファンのようで、「儲けようとかじゃなくて、株の勉強にもなるだろうから買ってみたい」と言ってましたが、投資で大けがをするのは百害あって一利なしだと思っています。

 

新規株式公開(IPO)で一端上がってすぐに下がっていくというのは、良くあることです。

だから、「初日が勝負!」みたいな所があります。

 

BTSのファンの方には申し訳ないけど、これは分かりきっていることなのです。

 

現在でも株価は下がり続けているそうですが、もともと割高な設定だったようなので、いずれ適当な価格で落ち着くでしょう。

 

彼らのグループとしての活動やその凄さについてはよく知らないのですが、ファン心理から彼らを応援したいという意味であっても、価格が落ち着いてから購入するべきものだと思います。

 

市場が投機の段階では、私情に左右されず無駄銭は使わないのが得策です。

 

日本における3つの株乱高下の事例について、私の完全主観による選定ですが、ご紹介したいと思います。

 

 

 

新規株式公開(IPO)を経験


これは妻の勤務先の株式を、ストックオプションで購入した事例です。

 

もともとベンチャー企業だったのですが、上場を目指し始めたタイミングで従業員へのストックオプションの付与がありました。

 

妻と相談した結果、仮に失敗しても致命的でない範囲でストックオプションの権利を行使したので、それほど大きな金額ではないですが、これが私の初めての株式購入となりました。

 

数字で株価の乱高下を振り返ってみます。購入時の価格を100としています。

 

ストックオプション取得価格<公開価格<初値<高騰後最高値

100 < 138 < 361.6 <1,296

【一般株主】 公開価格<初値<高騰後最高値

100 < 262 < 939

 

ストックオプションは、ベンチャー企業の退職金のような役割を果たしているとよく言われるそうですが、まさにその通りと言えるような値動きですね。

 

初値で売っていたら3.6倍の金額になり、その後の高騰時に売り抜けていれば、10倍以上になっていた計算です。

実際には、社員の株式売買はタイミングが限らるため、早期に売った社員の方は8倍位で売却することになったようです。

 

我が家については、売る為の手続きが面倒でタイミングを逃した結果、保有したままになりました。

 

IPO直後に売るのがセオリーみたいな感じで、ちょっと悔しい思いをしました・・

 

幸い、しばらくの低迷を経て、再度の上昇局面になりました。

最高で20倍位の株価になった際は、毎日株価チェックしながら夢が広がりましたね。

公開価格で買っていた方であっても、株価が14.5倍になった計算です。

 

企業が成長産業だったり、将来的な業績の向上が見込まれるようでしたら、あえてIPO直後に売らずに、育てる感覚で保有するのも良いかもしれません。

 

この事例だと、株取引はとっても夢があるように見えますね。

 

 

 

日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の事例


新規株式公開(IPO)で記憶に残っている事例としては、郵政改革で民営化・分割された郵便局ですね。

 

覚えてらっしゃる方もいるのではないでしょうか。

 

初日の終値は、日本郵政が売り出し価格よりも21%高い「1,760円」、ゆうちょ銀行が15%高い「1,671円」、かんぽ生命が56%高い「3,430円」だったそうです。

 

うろ覚えですが、一般の方の人気も高く、ニュースなど注目度が高かったIPOだったかと思います。

 

そして、現在・・

不祥事もありましたね。

 

3社のチャートと株価を調べてみましたが、現在の株価はおよそ半値になっています。

セオリー通り?IPO直後の高騰した際に売っておくのが、結果的には正解だったようです。

右肩下がりで、IPO直後の最高値を超えることが出来ていません。

 

ただし、郵政はつぶれるような会社では無いと思いますので、株価が下がった分配当利回りが上がり、6%を超えているという点は良いような気がします。

 

ちょっと検討しようかなというくらいですね。

因みに、配当金は一株あたり年間50円ほどです。

 

でも、次回配当についてはコロナの影響を見て判断とありましたし、利益半減などネガティブな情報も目に付いたので、そう旨い話でもないかもしれませんね。

 

 

 

東京電力株の乱高下


東京電力の株価の乱高下は、残念ながら東日本大震災時の事故による影響によるものです。あの事故を避ける事が出来ていたらと改めて思います。

 

震災前に2,000円を超えていた株価は、未曾有の大震災による電力不足と、福島原発事故の補償問題などを背景にした「国有化」説などもあり、わずか2週間で大きく下落しました。

 

2011年3月28日から3日連続のストップ安で大暴落し、ついには3月30日の終値で466円まで下落しました。

 

その時、大引け間際にひとりで東京電力株を約4,000万株(186億円分)を購入という、「買い」に出た投資家が現れたそうです。

 

翌3月31日の東京電力株は朝から注文が相次ぎ、524円に急騰したり、逆に年初来安値の461円にまで落ち込むなど、大きく乱高下しました。

 

投資サイトを見ていた個人投資家や、市場関係者の間では「いったい、誰が買ったのか」と話題となりましたが、金額的にも投機筋であろうとされております。

 

2011年3月30日に466円で4,000万株買った東京電力株は、31日の高値で524円まで上昇しました。仮にこの時点で利益を確定するため全額売却できていたとしたら、約23億円が儲かった計算です。

 

 

 

株式市場は戦場だ


値動きが激しいマーケットには、投機筋の短期資金が流れ込んでくる場合があります。実際、震災明けの3月14日~18日の東証1部の売買代金は、一日平均2兆円を超えていました。

 

日経平均をみても、一時8,000円台に下落した後、3月31日には9,700円台まで急回復しました。

 

その後も、様々なショックで株価が乱高下し、一喜一憂された方もいらっしゃるかも知れません。

面白さはあるかと思いますが、人の感情は怖い物です。

素人の盲目買いとパニック売りがあり、それらを冷静に見つめて資金を投入できる投資家がいる株式市場は、軽い気持ちで参入するのは危険です。

 

もちろん知識と、適切な準備が必要です。そして、感情を殺す冷静な目。

言うなればゴルゴ13の様な冷静さでしょうか。

 

株式市場は戦場です。

旨味があっても、生き残る知恵を持たないと、食い物にされておしまいです。

自分の将来を委ねるには、リスクが高すぎるかなと思います。

 

 

失敗しない将来資産作りは、是非私たちにご相談下さい。

 

 

WRITER / 執筆者

株式会社マイプロ

飯山 芳治

1980年生まれ/埼玉県出身・在住
2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人 日本マンション投資アナリスト協会 会員
「お客様のリスクを最小化すること」をモットーとする投資コンサルタントであり、自ら2戸のワンルームマンションを所有する投資家でもある。

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