コロナ前後でどう変わった?不動産市場の動向を読み解く

TVもネットも連日コロナ関連の話題で溢れる昨今、多くの業界にその影響が及んでいます。

実際のところ、不動産業界に与える影響はどうなのか?

今回はコロナ禍における不動産市場の動向について書いてみたいと思います。

 

 

1.コロナが不動産市場に与える影響

 

今後、不動産市場にはどのような影響が出てくるのか?というテーマで、沢山の方が色々な見解の記事を書いておられます。

コロナの影響をどう評価するかという点について、記事によって切り取り方は様々でしたが、実需の不動産市場については以下のような論調が主流になっているように感じました。

 

 

・マンションの共用部感染リスクを懸念し、戸建て・郊外派が増加する可能性

・景気悪化により、マンション市場の需給バランスに影響が出る

・リモートワークなど働き方の変化による購入者の意識の変化

 

 

市場の動向としては、7月以降は回復しているようですが、販売戸数が絞られていたり、在庫マンションがそもそもコロナ前から多い状態だったり、様々な要因がありますので、そこを突き詰める意味は個人的にはないかなと思っています。統計としては、不動産経済研究所という所や東日本流通機構という所で不動産市場の動向などのデータを出しています。気になる方はご覧になってみて下さい。

 

では、購入者の傾向はどう変わったのでしょうか。

 

 

 

2.都心or郊外、マンションor戸建て

 

コロナに関連付けた情報などもありましたが、リクルートの調査やオープンハウスの調査によると、購入者の意識や希望が大きく変わったという印象は受けませんでした。アンケートに対し、マンションから戸建てに変更したと回答している方もいましたが、それは全体の4%程度でした。

 

記事によっては、「これからは郊外だ!」とか、反対に「郊外と割り切るにはリスクがある!」などと一方向に煽るようなものもありましたが、結局のところさほど大きな動きになるとは思えません。これらの記事には、マンション価格が上がり続けている要因には意図的にほとんど触れていなかったりしますので、このような極端な論調は、一つの読み物として割り切っていいのではないかと思います。

 

都心でも郊外でも、マンションでも戸建てでも、基本的なそれぞれのメリットデメリットがコロナによって変わる訳ではありませんし、全体の大きな流れは変わらないはずです。

勤務体制も大きく変わらないはずですから、それぞれのご家庭の想いを大事にマイホーム選びをすればいいかなと思っています。

 

そんな中、さらに勢いを増しているのが㈱オープンハウスです。

 

 

 

3.業績好調なオープンハウス

 

「東京に家を持とう」というキャッチフレーズで、埼玉県民には挑戦的な会社かと思っていた㈱オープンハウスでしたが、創業20年ほどで急拡大しています。

今では営業範囲を拡大し、神奈川・埼玉だけでなく、2018年には福岡県福岡市に「オープンハウスグループ福岡オフィス」を開設しています。

 

以前は織田裕二が犬になっておりましたが、近年は長瀬智也が小学生になっているCMをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか

 

コロナ禍でも、戸建て派の代表格の様にピックアップされておりました。

彼らの強みは、狭小住宅を駅近で利便性の高い場所に提供するところにあります。

私の住むさいたま市浦和でも、大きな古い一戸建てが取り壊されたなと思うと、大体オープンハウスがその土地を3~4分割して新築戸建てを建築し、短期間で見事に売り切っている印象です。

おそらく、土地の買い付けから販売までがスムーズに行われているのでしょう。

 

業績は常に右肩上がりのようで、2015年と2019年を比較すると、僅か4年で売上高が3倍程にまで急成長しています。

その好調の理由を、コロナに関連付けたりしている記事もありましたが、マンションとの比較で購入している層が多いのではないかと思います。

マンション価格の上昇が続く中、マンションと同程度の金額で戸建てを購入できるとあれば、都心の狭小敷地の3階建て住宅という、庭や採光についてはあまり期待できない物件でも許容範囲ということなのでしょう。

 

ファミリー層の需要にマッチした優れたマーケティング戦略により、元来の戸建て派に加え、マンション派の一部ニーズをも取り込んでいます。

コロナ禍においてもさらに業績を伸ばしそうです。

 

彼らが売れ続ける限り、「これからは郊外だ!」と判断するのは早計かなと思います。つまり、市場のちょっとした動向や恣意的な意見に惑わされないことが大切です。

 

 

では、投資用物件についてはどうなるのか。リーマンショック時を振り返ってみたいと思います。

 

 

 

4.ワンルームマンションはどうなるのか?

 

マンション投資アナリストとしての主たる仕事は「投資分析」なのですが、分析をする上で、「価格」と「金利」は一番大事な数字と言っても過言ではありません。

 

不景気が続けば、今後マンション価格が下がる可能性もあるだろうから、今買うのは心配と思う方もいるかもしれません。

コロナ禍において、よく引き合いに出されるリーマンショック後のマンション価格を調べてみてビックリしました。

なんとリーマンショック時においても、中古マンション価格には大きな落ち込みがなかったのです。

※東日本流通機構より(ワンルームマンション以外も含む)

 

ちなみに同じ時期の株価は、回復傾向が出るまでに120日もの日数がかかっています。

やはり不動産、特に中古マンション市場は安定しているということでしょう。

しかも今回は、リーマンショック時と違い金融不安がありません。

 

私も実際に、コロナが騒がれだした2月中旬頃からずっと、主要エリアの物件価格推移をチェックしていますが、今のところ大きく変わった印象はありません。

価格や利回りは、コロナ前の水準のままと言ってよいと思います。

 

 

不動産投資において一番大事なのは、大きく構えて時間を味方につけるということです。

例えるならば、常に風向きを気にしなければならない小さなヨットではなく、優雅な豪華客船に乗る感覚です。

しっかりと建造された大きな船に乗っているのであれば、一時的な風向きの変化や、一過性の嵐に怯える必要はないのです。

 

弊社がお勧めしているマンション投資は、単身者向けの物件がメインとなるため、実需層の動向にはあまり左右されません。

安定度という観点では、数ある不動産投資の中でも随一でしょう。

手間ひまが掛からないため、もしかしたら物件購入後にすることが少な過ぎて退屈してしまうかもしれません。

とはいえその方が、仕事や趣味、ご家族などにより多くの時間を使えるというものです。

 

コロナによって、様々なネガティブなデータや記事を目にすることもあるかもしれません。

しかし知識と経験があり、しっかりとした検証のできるプロフェッショナルが傍にいれば、真偽の定かでない情報に振り回されることも、不安になる必要もありません。

 

それこそ「大船」に乗るつもりで、是非弊社にご相談いただければと思います。

WRITER / 執筆者

株式会社マイプロ

飯山 芳治

1980年生まれ/埼玉県出身・在住
2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人 日本マンション投資アナリスト協会 会員
「お客様のリスクを最小化すること」をモットーとする投資コンサルタントであり、自ら2戸のワンルームマンションを所有する投資家でもある。

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