フェイクも数撃ちゃ当たるという理屈

数年前から「フェイクニュース」という言葉を繰り返し耳にするようになりました。

 

そう、ご存じトランプ米国大統領が、メディアを批判する言葉として積極的に用いるようになったからです。

 

彼が指摘するものが本当にフェイクニュースかどうかはさておき、テレビや新聞等で得るマスメディアからの情報が、必ずしも真実とは限りません。

 

自らが物事に対して抱く「印象」は、意図せずに作られてしまったものになっていないでしょうか?

 

昔のように受け身で情報を得る時代であっても、現在のように自分でニュースや情報を取りに行く時代においても、多くの情報が相手方の判断(主観)によって書かれているため、その受け取り方には注意が必要です。

 

素性のよく分からない関係者“らしき人”の評価や、専門家“風”の人が書く記事の意図に沿ったコメントを数多く目にすることにより、段々とあなたの中に「印象という事実」が作られてしまっている可能性があります。

 

近頃見たニュースでも、一連のアメリカ大統領選挙に関する報道や、「国民の借金が一人あたり957万円」だとする報道などでは、特に意図的な印象操作を感じました。

 

 

 

有名人の投資用マンション購入①


実は不動産業界においても、印象操作されてしまっていると思われるような報じられ方の例がたくさんあります。

 

例えば、有名人が「都心人気エリアの高級なマンションを購入」したような場合です。

 

記事の論調は、賢いとか、手堅いとか、堅実だとか、しっかりしている、よく勉強しているという感じです。

「賃貸にも出しやすい物件なので不動産投資にも使えます。なかなか“手堅い”買い物です。」とありました。

 

恐らくその記事を見た多くの人が、「へぇ、そうなんだ。」と何の気なしに不動産投資についてポジティブな印象を抱きます。

これが、作られた印象です。

 

実際その評価をしている人は、同じ芸能関係者であって、不動産投資の専門家ではありません。

その噂は仮に事実だとしても、評価の部分はあくまで個人の感想です。

 

残念ながら、都内の人気エリアでは利回りも低いですし、価格の高騰にも限度があります。

ですから、「大手」「新築で」「今」購入する場合、不動産投資用としては決して手堅くないというのが、この場合における「真実」です。

 

 

 

有名人の投資用マンション購入②


さらに以前にも、CM等にも出ている有名タレントがマンションを購入したというニュースを目にしました。

 

「財テク・家賃目的でワンルームマンション2部屋を現金で購入」とあり、専門家として住宅ジャーナリストの方が以下のようなコメントしてました。

(余談ですが、財テクってハイテク由来の言葉なんですね。)

 

・おそらく6000万円くらいの現金が動いている

・賃貸に出せば、家賃は各10万円前後

・銀行に預けておくよりはいい

・節税対策としては評価できる

・不動産は今後、下落の可能性が濃厚

・売ることが難しそうな物件だし苦労する

 

という具合で、投資に関するコメントをしているのですが、彼は物件に精通した住宅ジャーナリストであって、投資に関する専門家ではありません。

 

とはいえ、専門家“風”の彼のコメントを見た人の多くが、マンション投資に対して少なからずネガティブな印象を抱くことでしょう。

 

 

 

印象操作されていませんか?


2つの有名人の不動産投資に関する事例をご紹介致しましたが、多くの方が以下の様な印象を受けるのではないでしょうか。

 

人気エリアにマンションを購入した有名人の場合

「高級マンションの価格はまだまだ上がるから売却したとしても儲かる」

「お金持ちになったら良い物件を買うのが賢い」

「賃貸用としても需要はあるから家賃収入で儲かる」

 

財テク・家賃目的でワンルームマンションを購入した有名人の場合

「ワンルームマンションはほとんど儲からない、節税対策」

「大家になれば家賃収入が入ってくるので手堅そう」

「安い物件は売れなくて苦労する」

 

総合すると、何となく好立地の高級物件を買った方が良いという印象を受けます。

 

こうやって、専門家ですら無い人や関係者の主観だけの記事と、最適ではない専門家のコメントの付いた記事を目にしていると、段々と印象付けられていきます。

そしてその印象が、往々にして真実を表しているとは限らないということです。

 

曖昧だったり主観による印象付けがされている情報にも関わらず、受け取る側に「真実」とは異なる「印象による事実」が出来上がることがあります。

 

時として情報の発信者が、意図して特定の方向に印象付けようとします。

これが、印象操作というものです。

 

 

 

不動産投資の真実はどこにあるか


不動産投資といっても、

「マンション派」VS「アパート派」

「新築派」VS「中古派」

「都心派(物件価値重視派)」VS「地方派(利回り重視派)」

などなど、様々な分野もありますし、顧客獲得で競合していたりします。

 

それぞれの分野を得意とする不動産業者がいて、そのメリットを際立たせるために他の分野のネガティブ情報を発信しているなんていうことも多々あります。

 

ワンルームマンション投資についても、ひとくくりにしてネガティブな情報が発信されていることが多いように感じます。

もちろんワンルームマンション投資にもメリットとデメリットがありますが、発信力や力関係によって、「真実」以上の「印象」が多くの人に作られてしまっている現状を見ると非常に残念に思います。

 

 

私がかつて不動産投資に踏み出さなかったのも、「印象」が「真実」とかけ離れていたからです。

それが今や2戸のオーナーです。

 

そんな経験がある私だからこそ、これからも実体験に基づいた正しい情報、「真実」を発信し続けて行きたいと考えています。

 

 

今あなたの認識していることは、作られてしまった「印象による事実」なのか、正しい情報理解による「真実」なのか、果たして一体どちらなのでしょうか?

 

 

WRITER / 執筆者

株式会社マイプロ

飯山 芳治

1980年生まれ/埼玉県出身・在住
2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人 日本マンション投資アナリスト協会 会員
「お客様のリスクを最小化すること」をモットーとする投資コンサルタントであり、自ら2戸のワンルームマンションを所有する投資家でもある。

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